『銀河鉄道の夜』は誰がなんと言おうと、ゴイステの代表曲だ。
詩的な文学を味わっているような、あの頃の叶わなかった恋を思い出してしまうような、そんな憂いがこの曲にはある。
その曲を、メロディ、歌詞ともに分解し、徹底解析しようと思う。
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『銀河鉄道の夜』のルーツ
銀河鉄道の夜のルーツは「宮沢賢治の小説:銀河鉄道の夜」だ。
誰がどう言おうとそうなのだ。
小説、銀河鉄道の夜は少年2人の友情を描いた童話だ。
ジョバンニとカムパネルラという少年が、銀河を走る鉄道の列車に乗り込む。
主人公ジョバンニは、その列車には黄泉の国へゆく人々が乗っているということに気づいてしまう。
そこにカムパネルラが乗り込んでいたということは……というお話。
ジョバンニの家庭環境や、2人の関係性を理解したあとにこの曲を聴くともっと味わい深い曲になる。
そしてこの曲は、小説『銀河鉄道の夜』を峯田和伸の人生を重ね合わせたものだ。
『銀河鉄道の夜』の歌詞
日々ひび割れ柿ノ実 夕焼けて夜は来た
空水色オーロラ 蜂蜜に濡れた月
赤レンガ煙突の上 ガイコツが踊ってる
ハロー今君に素張らしい世界が見えますか北風は吹雪くのを止め カシオペア輝いて
恋人達は寄り添って静かに歌うのでした銀河鉄道の夜
僕はもう空の向こう飛び立ってしまいたい
あなたを出典:GOING STEADY 『銀河鉄道の夜』
主人公ジョバンニのように、峯田和伸の日々も「ひび割れた」それのように精一杯。
「柿の実」の歌詞の意味は、柿の木の花言葉は「優しさ、恩恵」であり、ひび割れた日々の中にも自分に優しくしてくれる友人を象徴していると考えます。
小説で登場する、ジョバンニの友人「カムパネルラ」がその存在です。
「蜂蜜に濡れた月」は、月の明かりがドロリと溶け出してしまうほどに煌々と輝いている様が伺える。
「赤レンガ煙突の上 ガイコツが踊ってる」の舞台は、東京です。
峯田和伸は山形出身なのですが、東京の人間が骸骨に見えて仕方ない。
しかばねのように死んだように生きるその人々に、峯田和伸は恐怖を覚えているんですね。
そのなかでも、「恋人たち」だけは温度がある存在として、一種の希望の形として「愛」をテーマにこの曲を書いているということがわかります。
『銀河鉄道の夜』のメロディ
冒頭から透明感のあるギターのリフが聴かせます。
小説のように物語を感じるような構成となっています。
Aメロ、Bメロで伏線をひいて、サビで「あなた」という存在を登場させる。
ガツンと歪ませるだけではなく、どこか優しさを醸し出す弦音の使い方も巧み。
サビは言うことがない。
『銀河鉄道の夜』のMV
銀河鉄道の夜のMVは存在しません。
しかし、非公式の自作MVがある。
切り絵のMV。
この作者の思いも受け取れるような気がします。
まとめ
誰がなんと言おうと、これがゴイステだ。
これが彼らの真骨頂であり、現在の彼らの音楽のルーツだ。
銀杏BOYZとなってからも、その根幹は変わらない。